2017年4月14日
東芝メモリ喫緊の課題「3次元NAND」、サムスンの独走許した深い理由
業界が驚いたiPhone7の3次元NAND
湯之上隆 (微細加工研究所所長)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/9373?page=5
 このように3次元NANDには、2次元NANDに比べて桁違いな装置台数が必要となる。その結果、試算すると、
48層まではつくっても利益が期待できないのである。したがって、業界では、3次元NANDの勝負は64層からになると思われていた。
 実際、表1を見せて、「何で東芝は生産キャパの5.4%しか3次元NANDをつくっていないのか?」と聞くと、
東芝関係者は、「48層まではつくればつくるほど赤字だ。だから東芝は次(64層以降)にアクセルを踏む」という見解を示した。

なぜサムスン電子は48層で大量生産に踏み切ったのか

 表1に示されている通り、2016年3月時点で、サムスン電子は48層の3次元NANDを大量生産しており、その割合は40.8%を占める。
東芝関係者の言う通りなら、サムスン電子は大赤字になっているはずだが、実際はそうではないようだ。
 2016年3月当時、サムスン電子は、2次元NANDは韓国工場で製造し、3次元NANDは中国の西安工場で量産していた。
中国の半導体事情に詳しい識者によれば、「中国が招致した西安工場では、土地代がタダ、電気や水などのインフラ代がタダ、
法人税が向こう10年間免除、加えて、オペレーターとして現地中国人を2千人規模で採用しているため各種補助金が出る。
そのため税引前利益では(東芝関係者が言うように)赤字かもしれないが、税引後利益では黒字になっている」というのである。
 つまり、サムスン電子は、中国の立地上の優位性を利用して、競合他社が踏み切れなかった48層の3次元NANDを
いち早く大量生産できたということである。そして、サムスン電子は東芝を含む競合他社を大きく引き離すとともに、
3次元NANDの製造ノウハウをどこよりも速く手に入れることにもなった。

 48層の3次元NANDの大量生産にいち早く踏み切ったサムスン電子は、最先端品を何処よりも早く市場に投入したことによる
利益を得るとともに、3次元NANDの製造ノウハウや技術も蓄積したわけである。


2017年4月19日
東芝メモリが欲しかった中国企業「XMC」の驚くべき実力
突如NAND市場に参入、盟主・サムスンを丸裸にした中国企業
湯之上隆 (微細加工研究所所長)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/9424?page=3
XMCがサムスン電子の技術を丸裸に

 XMCと共同開発するスパンションはサムスン電子とクロスライセンスを結んでいるが、
サムスン電子が3次元NANDの技術を教えてくれるわけではない。3次元NANDの技術を使っても、
サムスン電子がスパンションを訴えないということが保障されているに過ぎない。

 このような状況にあるXMCは、次のような戦略を実行している。

 まず、サムスン電子の西安工場に在籍している1000人規模の中国人オペレーターを、根こそぎ採用しているという。
また、サムスン電子のNAND技術者を高年俸でヘッドハンティングしている。最近分かったことでは、
ヘッドハンティングしているのは、サムスン電子だけではなく、日本や米国にも網を広げているようである。

 さらに装置や材料メーカー等を通じて、サムスン電子や東芝の3次元NANDの情報を貪欲に収集している。
その結果、サムスン電子が3次元NAND用に開発し導入した装置がXMCにすぐに並ぶなど、
サムスン電子の情報はXMCに筒抜けになっているとのことである。 

 これは私にとっては、既視感(デジャ・ヴュ)を覚える状況だ。1990年代にサムスン電子は、
日本のDRAM技術者をヘッドハントしまくった。また、日本人技術者に技術情報を1件100万円で買うと持ち掛け、
週末のソウル行きの飛行機が日本人で満席になったこともあった。さらに、装置や材料メーカーに対しては、
札束を積んで日本が開発した装置や材料を持って来させた。

 かつてサムスン電子が日本人に仕掛けたことを今、XMCがサムスン電子に仕掛けている。
XMCは、サムスン電子の3次元NANDの技術を丸裸にしようとしている。


2017/05/29
【製造】中国半導体産業が日台韓を襲う、東芝OB天才技術者も流出 [無断転載禁止]©2ch.net
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