JR三ノ宮駅(神戸市中央区)の南側に直結する「三宮ターミナルビル」が来年3月末に閉館することが決まり、施設を運営するJR西日本などが建て替えの検討を進めている。駅前の再開発を促進する国の税制優遇も決まっており、周辺の再開発が本格化する。

 JR西の来島達夫社長は今月19日の記者会見で、建て替えの方向性について「三ノ宮駅から元町まで中心エリアは広域に及んでいる。駅周辺のニーズが何なのかという観点で決めていくべきだ」と述べた。JR西は平成27年9月、駅南側の広場で温泉掘削工事を完了しており、新施設への温泉導入も検討する。

 三宮ターミナルビルは昭和56年3月に開業。地上11階、地下2階、延べ床面積は2万平方メートルで、大型ショッピングセンターの三宮OPAやレストランなどが営業している。

 ただ、耐震改修促進法の改正に基づき平成27年5月に耐震診断を行ったところ、耐震性能の不足が判明したため、閉館を検討していた。190室のホテルは12月末に営業を終了する。

 三ノ宮駅南側の約45ヘクタールは、昨年11月に国の「特定都市再生緊急整備地域」に指定された。ビル建設にあたっては、広場やバスターミナルなど公共スペースの設置を条件に、固定資産税などの税制優遇や区画整理費用などの国庫補助が受けられる。

 周辺の再開発も進みつつある。阪急電鉄は阪急神戸三宮駅に隣接する神戸阪急ビル東館(地上3階、地下1階)を33年に地上29階、地下3階のビルに建て替える計画。エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングがそごう・西武から運営を引き継ぐ「そごう神戸店」も築80年以上と古く、建て替えが検討されている。


2017.4.21 21:27
http://www.sankei.com/west/news/170421/wst1704210095-n1.html
http://www.sankei.com/images/news/170421/wst1704210095-p1.jpg