山形県の2016年産「はえぬき」が日本穀物検定協会の食味ランキングで最高評価の「特A」から転落したことを受け、県は20日、「はえぬき」と18年産から本格販売される「雪若丸」の特A獲得を目指すプロジェクトを発足させると発表した。16年産から変更された検査方法への対応と営農指導を強化する。

 新たな検査方法への対応として県や農協などが連絡会議を設立。これまで通り全県統一銘柄にするか、「庄内」「県南」などの地区別に申請するかを検討する。

 検定協会は従来、都道府県統一銘柄については代表となる1地区のコメを対象に検査していたが、16年産から産地内2地区のコメをブレンドして評価するようになった。

 県農業総合研究センターによると、16年産「はえぬき」「雪若丸」「つや姫」はいずれも、2地区のコメをブレンドすると、単品と比較して食味評価が低下する傾向にあったという。

 営農指導については、はえぬきのモデル水田を県内8カ所に設置。各地域で生育状況の基準とする。さらに生産技術の相談に乗り、気象に対応した指導なども行う。

 16年産米の食味ランキングで、はえぬきは22年間続いた特AからAに陥落。つや姫に次ぐブランド米として期待される「雪若丸」(参考品種として出品)もA評価にとどまった。

 県農林水産部の白田洋一部長は「食味ランキングの特A獲得は最低限の目標。検査方法の変更に対応して、何がベストなのかを考えたい」と話した。


2017年04月21日 金曜日
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201704/20170421_52001.html