日立アプライアンス(東京都港区、徳永俊昭社長)は、4月中にタイ工場に「グローバル商品開発センター」を設置する。タイを中心に東南アジア周辺で家電のニーズを発掘したり、現地に最適な家電を開発したりするのが狙い。同センターを活用し、2018年度をめどに現地向け新製品の投入を目指す。

 日立アプライアンスのタイ工場は海外の主力工場で、現地生産を進めている。近年はタイやベトナムなど東南アジアで生活水準が上昇し、高価格帯の家電の需要が高まりつつある。このため生産だけでなく、開発段階からニーズをくみ取り、設計に反映する必要があると判断し、開発拠点の設置に踏み切った。当初はマーケティング要員ら10人程度で始動するが、製品化に向けて開発人員を増やす計画。

 今後は“現地色”の強い製品を開発するため、現地ニーズを探る。現地の人材を取り込み、生活の中で家電がどう使われているか調査する。製造の目線でマーケティングを進め、新製品開発に生かす。具体的な製品としては気温が常に高い熱帯・亜熱帯の地域に向け、氷の製造が早い冷蔵庫などを検討する。

 また日立製作所と連携し、IoTプラットフォーム「ルマーダ」と組み合わせ、スマート家電として訴求する。日立アプライアンスの徳永社長は「インフラ整備が進む新興国だからこそ、家電だけでなくプラットフォームとして提供することにメリットがある」と語る。

 同社は4月から日立製作所のアーバンソリューションビジネスユニットの所属となっており、日立ブランドの認知度を高める役割を担っている。家電を通し新興国で日立ブランドを広め、他のビジネス展開を後押しする。

日刊工業新聞電子版 4/21(金) 13:15配信
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