R&I、17年の格上げ30件 5年連続で格下げ上回る

格付投資情報センター(R&I)は4日、2017年の信用格付けの変更実績を発表した。国内の発行体を対象とする格上げは30件と格下げの11件を上回り、5年連続で格上げが格下げを上回った。
好調な国内景気を背景に好業績で財務も改善傾向にある建設や鉄道など内需型企業を中心に格上げが目立った。

集計対象は事業会社や金融関連、不動産投資法人などを含む。16年と比べ格上げは1件減ったが、格下げは10件減少しており、格上げから格下げを引いた件数は19件と16年の10件から増えた。

格上げ優位が目を引いたのは非製造業だ。格上げ7件に対し、格下げは2件にとどまった。鹿島は良好な事業環境に加え、国内建築での管理強化策が効果を上げ、シングルAマイナスからシングルAに格上げされた。
東京急行電鉄と西武ホールディングスは主力の鉄道事業の好調さに加え、不動産事業の収益基盤の強化が評価された。

製造業は格上げが11件、格下げが8件だった。格上げでは時計販売が好調で収益の安定性が増したカシオ計算機やシャープ、ライオンなどが含まれる。
一方で、武田薬品工業や日本製紙などの格付けは引き下げられた。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2531905004012018DTA000/