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ビジネスモデルとして以前、関心したことがあるのが、テレビ通販でよくある「高枝切りバサミ」。
テレビ通販という業態そのものは、商品提供主があり、販売主体があり、消費者がある、という非常に単純な構造で、
販売主体は販売力を武器として、商品提供主から安く商品を仕入れ、それを消費者にテレビを通じて語りかけて販売する、というモデルだ。
(販売主体が力を持ってくることで、販売主体が自ら商品を製造するケースも多々あるが)
つまり、1回1回の商品については、売切りのモデルであり、その1回1回で利益がでなければならない。

ところが、嘘か本当か、すでに誰に聞いたのか、どこの書籍で読んだのかも忘れてしまったので、あやふやな情報ではあるのだが、
「高枝切りバサミ」というのは、そういう商品ではないそうだ。
この商品はほぼ原価で販売されているそうで、いくら販売しても販売主は儲からないらしい。
トントンどころか、下手すると原価割れで販売しているので、売れば売るほど赤字というような噂も聞いたことがある。
にもかかわらず、テレビ通販好きならわかるだろうが、この手の商品は必ずといっていいほど定期的に販売される。
ほとんど儲からない商品をなぜ、定期的に扱うのだろうか?
実は、「高枝切りバサミ」は、「お金持ちの通販利用客」のリスト集めのための撒き餌さみたいなものに過ぎないらしい。
つまり、高枝切りバサミのようは商品を必要とする消費者は、持ち家であり、ある程度の広さの庭を持つ。
お金持ちというわけだ。しかも、テレビ通販でモノを買ってくれる。このリストは、ラグジュアリー系の商品などを販売する際の非常に価値の高いリストになるというわけだ。
1回目の取引では損をするけれども、そこで得たリストに対してアプローチできることで、ある期間を通じては大きな利益を得るというわけだ。
(そのリストに、その通販会社がラグジュアリー商品ばかりを扱うカタログを送付したり、という使い方ができる)