■崖っぷちの日本原燃 核燃再処理工場 26度目の完成延期は必至
                工事計画不十分で規制委審査進まず■

原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す再処理工場(青森県六ケ所村)は、
26回目となる完成延期が避けられそうにない。
事業を担う日本原燃(同)の能力不足が露呈して、
稼働に必要な原子力規制委員会の審査は申請から1年でようやく入り口に立った状況だ。
原燃が掲げる「2022年度上期」の完成目標時期まで8カ月ほど。時間切れが迫っている。
(小野沢健太)

○「期待して」との言葉に、漏れる苦笑い
 「審査チームは原燃に温度を感じない。何かやらないとだめですよ。どうしたら状況は変わりますか」
 12日夕、東京・六本木のビルに入る規制委の会議室。更田豊志ふけたとよし委員長は、
 意見交換で訪れた原燃の増田尚宏社長に問い掛けた。
 他の委員からも、再処理工場などの稼働に必要な設備の設計をまとめた工事計画の審査を巡り、
 原燃への不満が相次いだ。
 増田氏は東日本大震災時に東京電力福島第二原発所長として事故対応を指揮しており、現場に精通する。
 審査対応への不備を認め「社内の審査をやっている人たちとの温度差を非常に感じます」と吐露した。
 増田氏は、社内改革を進めて審査対応が変わってきているとし「期待してもらいたい」と強調すると、
 更田氏ら委員から苦笑いが漏れた。