◆再処理工場いじめ自殺裁判始まる◆

六ヶ所村にある使用済み核燃料の再処理工場で勤務し、おととし自殺した20代の男性の両親が、
職場でいじめがあったとして会社と当時の上司などに損害賠償を求めている裁判が2日から始まり、
会社側は全面的に争う姿勢を示しました。
この裁判は、六ヶ所村にある使用済み核燃料の再処理工場で、核物質の分析などを行っている
「日本原燃分析」に勤務し、おととし9月に自殺した当時27歳の男性の両親が起こしたものです。
訴えによりますと、男性は、複数の先輩に体型などの見た目についてからかわれたり、
レクリエーションの場で「お前の握ったおにぎりなんて食べたくない」などと暴言を吐かれたりする
などのいじめを受け、会社もいじめを認識していたにも関わらず、必要な対応を取らなかったとして、
会社と当時の上司などに合わせて7800万円あまりの損害賠償を求めています。
2日、青森地方裁判所で裁判が始まり、原告側は、「まだ若く将来有望でありながら、いじめにより
自殺という悲惨な結末を迎えた。両親の苦しみは筆舌に尽くしがたい」と述べました。
一方、会社側は訴えを棄却するよう求め、全面的に争う姿勢を示しました。
男性の自殺をめぐっては、労働基準監督署が去年9月、職場で人格や人間性を否定するような言動が
繰り返されるなど、いじめがあったとした上で、労災に認定しています。
(NHK:2019年09月02日 16時05分)