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国境にフェンスはないが、追跡用の首輪からのデータによると、ゾウはアンゴラ、ナミビア、ザンビアを去り、安全だと思われたボツワナ国境内にとどまる様子を示していた。

国内での密猟は、武装してよく管理された反密猟部隊のおかげでまれにしか起こらなかった。

アフリカ大陸では、象牙を狙った密猟によりゾウの群れが全土から消滅し続けているが、生息数13万頭のボツワナはアフリカ最後のゾウの聖域だと言われてきた。

変化の兆しは2年前、BBCがチェイス博士とナミビア国境近くまで飛行機で行き、牙を抜かれた沢山のゾウの死骸を初めて発見した時に見られた。

しかし今回のゾウの死骸は、ボツワナの奥地、野生動物保護区のオカバンゴ・デルタ近くで見つかった。オカバンゴ・デルタは世界的な観光地だ。

「密猟の問題が差し迫っていると人から警告されたのは確かで、私たちはそのための準備ができていると思っていた」とチェイス博士は述べ、ボツワナの反密猟部隊の武装解除が原因だと指摘した。

「密猟者は今や銃口をボツワナに向けている。ボツワナのゾウの生息数は世界最多で、密猟者にとっては狩猟解禁も同然だ」

「調査に記録しているような規模を止めるには、もっと何か手を打たなければならないのは明らかだ」

ボツワナ政府はモクウィツィ・マシシ大統領の就任から1カ月後の5月、反密猟部隊の武装を解除

部隊は、歴史的にみて他よりぜい弱な国境地帯に集中して取り組んでいる。

大統領府の高官、カーター・モルピシ氏は当時ボツワナで記者団に対し、
「政府は、野生動物・国立公園局での軍事用の武器と機器の使用を取りやめることにした」とだけ話し、理由は説明しなかった。