以下、判決文の該当部分の主旨を紹介します。
■労働者性を明確に認定
会社側の主張(「業務の支持等に対する諾否の自由があった」「業務遂行上の指揮監督はなかった」「勤務時間・勤務場所に関する拘束性はなかった」等=だから労働者ではなく業務委託である)は全面的に退けられました。
その上で東京高裁は「本件契約の法的性質は、雇用契約であると認めるのが相当」と判断し、東京地裁に続き労働者性を明確に認定しました。
■「借金漬け労働」は公序良俗違反
組合が問題にしていた「借金漬け労働」について、東京高裁は「配送費売上額から車輌経費及び管理費を控除した残額が22万円に達しない場合には、22万円に満つるまでの不足額が翌月分の当該残額から控除されていた」として実態を明確に摘示した上で、
「管理費という実態の不明確な経費項目を・・・設けた上で、経費割れのリスクを基本的に一審被告(注 会社)が負わず、一審原告(注 東陽ガス支部組合員)らにのみ負わせる仕組みとなっているものと評価せざるを得ない」と断罪しました。
そして、会社のやり方は「公序良俗に反するものとして無効」と判断しています。
■「借金漬け労働」を強いられたことについての損害賠償(慰謝料)も認容
そして東京高裁は、「一審原告らは、このような公序良俗に反する賃金の支払システムを内容とする本件契約の下で、一審被告から継続して使用されていたのであるから、
その間、精神的苦痛を受けたものというべきである」として、一審東京地裁が認めなかった慰謝料についても認容し、支払を命じています。
「借金漬け労働」という搾取システムにつき、東京高裁が厳しい態度で臨んだことがうかがえます。
日本瓦斯=東陽ガスのやり方は司法の場でまたしても明確に断罪されました。
日本瓦斯=東陽ガスは高裁判決に従え!「借金漬け労働」につきただちに謝罪せよ!