活断層とは「地殻運動を繰り返した断層であり、今後もなお活動するべき可能性のある断層」を言う。
これまでの基準では10万年動かない断層とされたが、今後40万年に厳しくしようと言う意向だ。
ところが、10万年以降は、明確な痕跡が見つけられず、おそらく明確には分からないそうだ。 
首都大学東京の山崎晴雄教授が「断層、そして活断層とは何か?」という講演を行った。
「活断層には誤解がある」と山崎教授は指摘した。俗信として「活断層の上は強い地震動に襲われる」「活断層が動くと地表にずれが生じる」というものがある。
ところがそうとは限らないという。
前者については地盤構造で揺れの姿は違うし、後者についてはこれまでの地震ではずれよりも火災や建造物の倒壊などによる被害が大きい。
「マスコミ情報などの恐怖に振り回されず、何ができるのかを考える事が対策に必要だ」と山崎教授は述べた。

東京大学の岡本孝司教授は「活断層は原子力発電のリスクの一つであり、他にもリスクはたくさんある。
本来原発の安全性を高めるという目的であれば、すべてのリスクを総合的に評価し、それに対し工学的見地やマネジメントの視点などからどのように対策を講じて行くかを考えて行くのが筋。
活断層だけに注目しすぎると他のリスクへの対応がおろそかになり、結果として原子力の安全性は間違いなく低下する」と指摘した。
広島大学の奥村晃史教授は以前、原子炉の耐震審査に関わった。「事業者による詳細な調査データをベースにした科学的な議論だった。
そこには癒着やなれ合いなどはなく、相当緊張感を伴うハードなものであった。
それにもかかわらず、現在の規制委員会は過去の積み重ねを一切無視、排除し断片的な情報を基に判断を下そうとしている。
これを看過することはできない。規制者は事業者を信頼することから始めなければ決して安全は向上しない」。