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<核燃>露文書隠蔽 次官にも報告せず 委員からは怒りの声
毎日新聞 11月24日(木)2時30分配信

誰の手で握りつぶされたのか。
使用済み核燃料の受け入れを提案する02年のロシアの外交文書。
「経済産業省トップ(事務次官)にも報告していない」と証言する資源エネルギー庁関係者もおり、隠蔽(いんぺい)の徹底ぶりが浮かぶ。
当時、国の審議会では六ケ所村再処理工場(青森県)稼働の是非が論議されていた。「判断するために貴重な情報。事実ならとんでもない」。委員から怒りの声が上がった。【核燃サイクル取材班】

「エネ庁には04年初めにファクスが届いた」。関係者が明かす。在ロシア大使館に届いた文書は内閣府の原子力委員会に渡り、その後エネ庁へ。
エネ庁では一部幹部への配布にとどまり経産省事務次官に渡らなかったとされる。「六ケ所の邪魔になる。どうせ握りつぶすんだから上に上げる必要はない」。
関係者は独自の理論を展開した。
エネ庁原子力政策課で課長を務めていた安井正也・経産省審議官(原子力安全規制改革担当)は取材に、文書が存在するかどうか直接答えず「記憶にない」と繰り返した。

「シベリアに国際管理して埋めるというのはどうか」。
03年6月の参院外交防衛委員会で舛添要一参院議員(当時自民)が質問した。原子力委員会の藤家洋一元委員長は「自らの責任において処理すべきだ」と海外処理を否定する答弁をした。
藤家氏は取材に対し「『ロシア』という話はこの時に初めて聞いた」と説明、01〜04年の在任中、ロシア側から文書による提案は「ない」と語った。
原子力委員会には事務局役の職員(官僚)が約20人いる。経産省同様、一部の「官」が握りつぶしたのか。
文書の宛先の尾身幸次・元科学技術政策担当相も「(文書は)ない」と完全に否定しており、謎は深まる。