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カドミウム吸収イネ開発 県立大・西沢教授ら成功
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2012022502000144.html
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/images/PK2012022502100058_size0.jpg
セシウム除染に応用も

 人体に有害な重金属・カドミウムをよく吸収するイネの開発に、石川県立大の西沢直子教授と東京大のグループが
成功し、二十四日発行の英科学誌「ネイチャー・サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。カドミウムが多い
水田の浄化に役立つほか、放射性セシウムの除染にも応用できるという。
 研究グループは、土壌から養分を吸うために働く多くのイネ遺伝子を調べ、「NRAMP5」という遺伝子が金属元素
の吸収に重要であることを突き止めた。この遺伝子を働かないようにしたイネを育てると、茎や葉の部分に、
普通のイネの四倍の濃さでカドミウムが集まってきた。
 これを栽培すれば土壌のカドミウムを広い範囲で効率よく吸収できる。育てたイネはカドミウムが環境に広がらない
よう、焼却処分する。
 西沢教授は「NRAMP5を抑えると金属を運ぶ他の遺伝子の働きが逆に活発になり、カドミウムの集積が進む」とみる。
 コメに関するカドミウムの基準値は、昨年から一キログラムあたり〇・四ミリグラムになり、この値を上回るコメは
出荷できない。各地で土壌の浄化が課題になっている。
 西沢教授は「実験に用いたイネは遺伝子に操作を加えた作物なので、すぐに水田で栽培することはできない。
成果を生かし適した品種を育成したい。またセシウムも金属であり、同様の仕組みで除染に適した植物を開発できる
はず」としている。


記者会見「ファイトレメディエーション用カドミウム高吸収イネの開発に成功
―イネのカドミウム集積を決めるキー遺伝子を発見―」
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_240224_j.html