東邦金属とグンゼ、放射線遮る防護服 タングステン使用

 東邦金属とグンゼは、外部の放射線を最大3割遮る防護服を共同で開発した。遮蔽効果のあるタングステンを
織った生地を使いつつ、加工方法を工夫して動きやすさに配慮した。現在幅広く使われている防護服は放射線を
帯びた粉末などの付着防止が主流で、放射線の透過を防ぐ製品は世界でも珍しい。年内に電力会社、自治体などに
販売する。
 全身を覆うつなぎとベストからなり、価格は1セットで500万〜600万円を想定、重さは計16`で繰り返し使える。
 つなぎは細さ35マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルのタングステン線で織った特殊な生地を12枚重ねた。
ベストは内蔵の被曝(ひばく)を抑えるため、0.1ミリのタングステン板を4枚重ねた。これにより放射線の遮蔽率は
最高26%、最低でも10%以上を確保した。織り方などを工夫し、しなやかな生地にした。
 東邦金属は電球フィラメント用タングステン線の技術を応用する一方、グンゼは肌着生産のノウハウを生かして
生地を作った。
 使用する生地の枚数を増やせば放射線の遮蔽率はさらに高まるが、防護服が重くなり作業が困難になるという。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819696E2E5E291978DE2E5E3E2E0E2E3E38698E0E2E2E2;at=ALL