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【ブリーフィングペーパー】原発を再稼働しなくても今冬と来夏の電力は足りる

2011 年 3 月 11 日に発生した東北関東大地震とそれに続く巨大津波によって、福島第1原子力発電所
において 国際原子力事象評価尺度レベル 7 という深刻な原子力災害が発生し、東京電力・東北電力管内の
主要電源が被 災した。福島第一原発から放出された大量の放射性物質は、東日本全体の広い地域で様々
な被害をもたらして いる。その一方で、東日本の電力供給では深刻な需給ギャップが生まれ、それに対応する
ために東京電力では 「計画停電」を実施したが、信号や鉄道、病院といったライフラインの電力や震災被災地の
電力供給さえ止ま る地域がある他、生産活動の見通しを立てられない産業経済界からも異論が聞こえるなど、
混乱を極めた。そ の後、東京電力管内では夏の需要ピークでの電力需給の見通しから 7 月 1 日より大口需要
家に対する 15%の電力 使用制限等が発令されたが、ピーク需要に対して 20%近い節電効果が実証された。
今後、定期点検による原子力 発電所の停止や再稼働が事実上困難であることにより、2012 年春には全ての
原子力発電所が停止する見込みで ある。国民の多くが脱原発を望む中、政府も脱原発依存の方向性を打ち
出し、エネルギー政策の根本的な見直 しが始まっている。このペーパーでは、2012 年 1 月と 8 月の冬期と
夏期の電力需要のピーク時に、原発の再稼 動をしない場合でも電力の供給について問題がないことを示す。