【五輪検証5】のしかかる負のレガシー、新設6会場で黒字化試算1つだけ
https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/news/202108120000633.html

15年7月、新国立競技場は英女性建築家ザハ・ハディド氏による当初計画が白紙撤回になった。整備費の高騰に国民の多くが反対した一方で、
当時の安倍政権が安保法制により下がった支持率の浮揚策として利用したとも言われた。

当時の五輪相、遠藤利明組織委副会長は言う。「前の計画なら屋根も空調もあり、天候に左右されずスポーツ大会もコンサートも開けた。
世界的なコンベンションセンター(展示場)としても使う計画だった」。造るのに金はかかるが、回収するには優れたスタジアムだったと回顧した。

現国立はレガシーの観点で難しい状況に立たされている。屋根がなく天候に左右され、空調がなく暑さや寒さに弱い。

17年11月、政府は五輪後に収益が見込めない陸上トラックを撤去して「球技専用」とすることを決めた。
しかし「五輪陸上で世界新や日本の金メダルが出たらどうするんだ」と政界の重鎮が漏らすなど、球技専用の方針は徐々に揺らぐ。
そして昨年、所管の萩生田光一文部科学相が方針を見直す可能性に言及した。