野良検査屋の客はアホしかいない

浜松市内でもインド由来のデルタ株への置き換わりが進み、二十歳未満の感染者が増加している。PCR検査で陰性を確認してから帰省した後に陽性となる事例がこれまでに複数確認されているといい、市保健所の担当者は「帰省は控えてもらうのが一番。どうしてもする場合は家族を守るために検査を受け、
帰省後も家でマスクを着けて過ごしてほしい」と呼び掛ける。
 新規感染者のうち一人は、クラスター(感染者集団)が発生したアニメソングカラオケバー「りんくるカフェ」(中区)の従業員の家族で、関連の感染者は計十二人となった。市内の学習塾で発生したクラスターでは関係者の家族一人の感染が判明し、関連の感染者は計五十四人となった。
 市役所ではスタートアップ推進課員一人の感染が判明。遠州病院(中区)も職員一人の感染を公表した。
 県発表分は百七十三人。富士市吉原四の接待を伴う飲食店「TIARA 2(ローマ数字の2)(ティアラ ツー)」で十四人の感染が判明し、クラスターとなった。県は、今月一〜七日に店を利用した人に検査を受けるよう呼び掛けている。
 藤枝市内の学校の部活動でも十二人の陽性が分かり、クラスターとなった。
 既に明らかになっているクラスター関連では、沼津市の事業所で新たに一人の陽性が分かり、計十一人に。沼津市の漁船では新たに五人が感染し、計十八人に。藤枝市のカラオケを伴う飲食店では新たに一人の陽性が分かり、計十一人になった。
 静岡市発表分は四十九人で、これまで過去最多だった一月十日の四十八人を上回った。市上下水道局お客様サービス課職員一人の感染も分かった。感染拡大を受け、市の担当者は「医療逼迫(ひっぱく)を起こさないよう、不要不急の移動の自粛などに協力を」と呼び掛けた。
◆「安心のため」 PCR検査増
「感染リスクの高い行動はしていない。周囲を安心させたい」。横浜市の会社員観峯(かんぽう)卓矢さん(28)は、遠州鉄道新浜松駅(浜松市中区)前の民間PCR検査センターを訪れた。弟の結婚式に出席するため浜松市に帰省し、親に促されて検査を受けた。
緊急事態宣言が発令されている地域からの移動だが「親族の冠婚葬祭は仕方ないのでは。もし陽性なら実家かホテルにこもる」と話した。
スーツケースを携えて相模原市から帰省した二十代の女子大学生も「感染しているとは思わないけど、安心のため」と訪れた。「首都圏の検査センターは混雑していそうで嫌だな」と出発前に受けなかったという。
仙台市の男子大学生(24)は、磐田市の実家へ向かう前に「念のため」検査を受けた。浜松市内のホテルに宿泊して結果が出るのを待つ。冬休みに帰省した際は検査しなかったといい「全国で感染者が急増している中、大学も再開し、自分も動くようになったので」と説明した。
子どもの部活動の遠征に付き添うため沖縄県に出掛ける予定の浜松市の五十代女性は、事前の陰性確認が要請されていることを受け、検査に訪れた。「大人は普段の仕事をしているのに、子どもばかりが犠牲になっている」と
緊急事態宣言が発令されている沖縄県への移動を自粛しない理由を語った。
https://www.chunichi.co.jp/article/309459