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 ミネアポリスのデモに参加することを決断し、
その後ロサンゼルスの自宅に戻った大坂選手への反応は、おおむね好意的だった。
ただ、自分の車線をはみ出さないようにとネット上で警告するコメントも一部にあった。
数日後、彼女は50万人以上のフォロワーがいるツイッターのアカウントにこう投稿した。
「アスリートは政治に関わるべきでない、人々を楽しませていればよいと誰かが言うのを
私は聞きたくない。
第1に、これは人権の問題だ。
第2に、私よりもあなたの方が発言する権利があるという理由は? 
その論理でいくと、『GRÖNLID(グローンリード)』(ソファのシリーズ)について
語ってもよいのは、イケアで働いている人だけということ?」 
7月初め、彼女は米誌「エスクァイヤ」に、人種差別への抗議運動
「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切)」を支持するエッセイを発表。
その中で警察予算の削減を支持する考えも示した。

 8月下旬、大坂選手は黒人男性ジェイコブ・ブレークさんが
ウィスコンシン州ケノーシャで警官に銃撃された事件に抗議するため、
ツアー再開後初めて出場したウェスタン・アンド・サザン・オープンを棄権すると表明した。
準決勝が行われる前夜、大坂選手はインスタグラムにこう書き込んだ。
「黒人女性として、私がテニスをプレーするのを見てもらうより
はるかに重要な問題が目の前にあり、今すぐ注意を喚起すべきだと感じている。
警察による黒人の虐殺が続くのを見るのは、正直言って吐き気がする。
新しいハッシュタグが数日おきに登場し、何度も何度も同じ会話を繰り返している。
もううんざり」。
大会主催者はこれを受け、27日に予定していた男女の全試合を延期するという対応を
取った。大坂選手はボイコットを撤回し、28日に行われる準決勝への出場に同意した。