中国専門家「尖閣侵攻で強さ見せつける」 “戦争”発言に凍りついた瞬間
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/140223/mcb1402230700002-n1.htm

米ウェブニュース「ビジネスインサイダー」の共同代表、ヘンリー・ブロジェット氏が1月22日付で掲載した。

記事によると、この専門家は日中間の対立の背景を安倍晋三首相の靖国神社参拝に結びつけ、「戦争犯罪者を崇拝する行為で、クレイジーだ」と非難。
驚くべきことに、「多くの中国人は、尖閣諸島への侵攻で軍事的な優位を見せつけ、このシンボル的な島を完全に支配できると信じている」と発言。
尖閣諸島は限定的な侵攻で、国境紛争を引き起こすことなく支配が可能との考えを示唆したという。

さらに、尖閣侵攻は日本、中国ほか他の国々に対し、誰が強者なのかを示すシンボリックな価値があるとし、
「日米の軍事的な対処で事態が大きな戦争につながっても、さほどひどいこととは思わない」という旨を述べたという。

テーブルの出席者は静まりかえり、マイクを握った参加者の1人が「岩だけで価値を持たない島のために
世界戦争を起こす可能性を認識しているのか」と質問したところ、この専門家は「理解している」と回答。
尖閣諸島はシンボル的な価値があると繰り返した。

尖閣諸島を巡る長年の中国の態度は、この専門家の発言が見事に説明している。
なぜなら、小さな島に押し寄せ、暴力的に占拠することで領有権を奪取しようという中国の意図は、そのまま「シンボル的な価値」が反映しているからだ。
実際、尖閣を巡る日中の対立は、南シナ海での岩礁などの権益を巡る中国対フィリピン、中国対ベトナムなどの構図に極めてよく似ている。

南シナ海のスプラトリー諸島では、ベトナムが実効支配している島の周辺で中国海軍の艦船がブイを投下するなど示威行動を行っている。
また、フィリピンは南シナ海の岩礁(スカボロー礁)の領有権をめぐり中国と激しく対立し、中国が建造物の建築で一方的に占拠した。
中国にとって尖閣諸島とは、南シナ海同様の暴挙を、東シナ海で行うための“標的”なのだろう。

米ニューヨーク・タイムズは2月4日付で、フィリピンのアキノ大統領とのインタビューを掲載。
アキノ大統領は中国を第二次世界大戦前にチェコスロバキアを侵攻したナチスになぞらえて批判し、
「世界はそろそろ中国に対し、『もうたくさんだ』と言うべき時が来たと思う」と国際世論の協力を求めた。

東シナ海は明日の南シナ海になるかもしれない。
政府の断固たる対応は当然なのだが、今や東南アジア全体で中国に対抗するべき時を迎えたのではないか。