「表現の不自由展」については、「税金が投入された催しでやるべきではない」というような批判の声もある。

横大道(よこだいどう)聡・慶應大大学院教授は、この議論について憲法学の視点から触れ、「現在」の表現の自由が直面している状況について語った。

横大道氏は、公民館や劇場など国や自治体が設置した施設であっても、「政権を批判する団体には貸さない」「県政を批判する人には使わせない」というようなことは許されないと説明。
それは、施設の設置の目的は「県や国の立場を伝えるためのもの」ではなく、市民が表現するための場所を与えているものだからと解説した。

また、国や自治体が金を出している今回のような芸術祭のケースについて、公権力側が「お金を出す以上、(内容に)口も出したくなる」ということを止めるためにはどうしたらよいか、憲法学では「間に専門家・専門機関を挟んで判断を委ねよう」という考えがあるとした。

「行政側は、『我々は展示された作品に賛成しているからお金を出すのではなく、芸術のイベントにお金を出した。作品の善し悪しはプロが決めたんだから口は出しません』というスタンスで臨むべきだ」

ただ、その前提には、「間に入るプロ」が萎縮せずに活動できる状態にあるのかどうかが重要だとした。

「専門家が日本において、どれだけ公権力からの圧力あるいは忖度を跳ね返して、自立的な判断をできるかどうかが問われているのが、今回の事態であったと思っております」

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