ポピュリズム政党、旧東独で躍進か=3州で議会選、西側と溝 2019年08月31日07時19分

 【ベルリン時事】近く行われる旧東ドイツのザクセン、ブランデンブルク、テューリンゲンの
3州議会選挙で、右派ポピュリズム(大衆迎合主義)政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の躍進が
予想されている。旧東独市民の蓄積した不満の受け皿として有権者に浸透しており、
ベルリンの壁崩壊から30年を経過してもなお残る東西の溝を示す結果となりそうだ。

 州議選はザクセンとブランデンブルクが9月1日、テューリンゲンは10月27日。
各種世論調査によると、3州ともAfDの支持率は20%を超え、5年前の前回選挙からほぼ倍増。
特にブランデンブルクでは第1党をうかがう勢い。州議会でAfDが第1党となれば全国で初の事態だ。

 他党は「反AfD」では左右を超えて一致し、同党が各州で連立政権入りする可能性は低い。
ただ、ドレスデン工科大学憲法・民主主義研究センターのフォアレンダー所長は
「過去数十年、既存政党が見捨ててきた地域で、AfDは活動を強めてきた」と指摘。
人気は一過性ではなく、国政にも影響すると話す。

 大企業の本社は、現在も旧西独に集中。失業率も東西で1.5ポイント程度の格差がある。
統一後の急激な市場経済移行で生活が破壊されたとの不満は中高年を中心に根強い。
2013年に誕生したAfDはこうした層に目をつけ、「反移民」以外にも、
雇用や治安対策など地域密着の政策を掲げて支持を集めてきた。

 西側の都市部を中心に勢いがある緑の党に対する反発も、AfDを支える。
旧東独には二酸化炭素(CO 2)排出量が多く、気候変動の「戦犯」に挙げられる
褐炭の産地が集中しているからだ。ガウラント党首が24日、ザクセン州ケムニッツで開いた
支持者の集会で、緑の党の政策を「宗教的」とやゆすると、ひときわ大きな喝采が起こった。

ttps://www.jiji.com/jc/article?k=2019083000763

>「ドイツのための選択肢(AfD)」
「極右政党」から「右派ポピュリズム(大衆迎合主義)政党」になりました。