>>349

 ハドソン研究所のチャールズ・ホーナー氏が先週、私あてのメールで指摘したのは、
世界の多くの指導者はナショナリスト的だが、習氏は「ナショナリズムが
世界支配構想の形態であること」を公言している唯一の人物である。
これは習氏の法律を順守しない行為――隣国を臣下のように扱い、
領土を占領し、グローバル・コモンズ(地球上の公共領域)を囲い込み、
そして世界の指導者たちに脅しをかけること――と一致するものだ。

 王飛凌氏は、「天下は、いや応なしにそして必然的に中華人民共和国の視点を
つくり上げているもので、その隣国と最終的には他の全ての諸国をも、
中国とは同等でない劣った存在として扱う。他国は全て、力・金・コネ・策略・恐怖に
より、影響され、統制され、支配下に置かれる」と指摘している。

 中国は一部の人々が信じているような自国の体制維持と国土の防衛だけを目指す
「小さな国」ではない。習氏が狙う天下の夢という野望に対し、世界は国家主権を守ると
いうトランプ氏の主張、そして若干の「アメリカ・ファースト」の主張さえ、
もっと活用することができるかもしれない。
こうした概念は、以前に私が考えたほど、不必要に挑発的なものではない。
数世紀続いてきた国際秩序が直面している生存の危機に対して、必要とされる防衛だ。

https://jp.wsj.com/articles/SB11529455906466464454504585449033213174258