■法曹界「処罰は容易ではない」
■侮辱された人物特定しなければ犯罪成立せず

京畿道安山市内の韓国鉄道公社安山線・常緑樹駅広場には慰安婦を象徴する少女像がある。

6日午前0時8分、男4人がこの少女像につばを吐くという事件があったが、警察の捜査の結果、4人は全員韓国人だと確認された。警察は7日、「4人を侮辱罪で処罰する方針だ」と明らかにした。

法曹関係者の間では「侮辱罪での処罰は難しいだろう」との見方が支配的だ。侮辱罪はののしり言葉などで人を公の場で侮辱した場合に成立する。侮辱を受けた人物が誰なのかを正確に特定しなければならない。

ところが、今回の慰安婦少女像の事件は、侮辱を受けた人が誰なのかあいまいな点があるということだ。

弁護士は「存命中の元慰安婦の女性たちを侮辱したのか、それとも亡くなった方や、この像を立てた市民団体までの全員を侮辱したのかが不明で、侮辱罪になるかどうか容易でない」と話す。

警察は「よく似た前例がある」としている。検察は2013年、駐韓日本大使館前の慰安婦を象徴する少女像に「竹島(独島の日本側呼称)は日本領土」と書いた杭(くい)を縛り付けた日本人の男を名誉毀損(きそん)などで起訴した。

だが、この日本人の男は韓国の裁判所に出廷しておらず、裁判は行われていない。

この事件も、名誉毀損の被害者が誰であるかはっきりしないという指摘がある。基本的に侮辱罪は感情排出、名誉毀損は事実適示に関連する罪名だが、相手の地位・評判をおとしめた時に成立するもので、よく似た面がある。

過去にも歴史的建造物の毀損が法的問題になったケースがあったが、侮辱・名誉毀損罪が適用されたことはなかった。

昨年仁川市内で発生したマッカーサー将軍像放火事件で、火をつけた牧師は公用物件損傷罪などで起訴され、このほど懲役1年の実刑判決が言い渡された。

2016年にソウル市永登浦区内の公園に設置された朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の胸像をハンマーでたたき、スプレーで落書きした事件でも特殊財物損壊罪だけが適用された。


2019/07/08 12:10
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