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トランプ氏、株価に異様な執着 下がれば責任転嫁
By Vivian Salama 2018 年 12 月 10 日 06:23 JST

【ワシントン】先週、米株式市場が大荒れとなる中、ドナルド・トランプ大統領はホワ
イトハウス内外の顧問を呼び、急落を招いたのは米中首脳会談のせいではないと確かめ
ようと躍起になっていた。

トランプ氏は自身が「歴史的」とする米中首脳会談をなぜ金融市場が好感しないのか尋
ねていたという。顧問らと話す中でも、不安定な市場の動きは自身の言動によるもので
はなく、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが原因との考えを変えていなかったようだ。

だが投資家やホワイトハウス関係者の多くも、トランプ氏とは異なる見解を抱いている。
トランプ氏が4日、自身を「関税マン」と呼び、中国が約束を果たさない場合には追加関
税を発動する構えをみせると、株式市場は急落。休場明け6日の株式市場も、最終的には
下げ渋ったものの、中国の華為技術(ファーウェイ)幹部逮捕のニュースを受けて投資家
心理はさらに冷え込み、総じて大きく値下がりして推移した。

トランプ氏は表向きは、市場変動は調整の一環として動じない姿勢を示している。だが大
統領に近い複数の関係者によると、トランプ氏は自身の仕事ぶりに対する評価を測る指標
として、支持率と同様、ダウ工業株30種平均の動向に重きを置いている。
トランプ氏はホワイトハウス内では通常、ビジネス系のテレビ局をつけたままにし、リア
ルタイムでダウの値動きを注視していると関係筋は明かす。1日の上げ幅が3桁に達すると
興奮し、市場を動かした材料について側近らに尋ねているという。トランプ氏の株式市場
への執着ぶりについて尋ねると、あるホワイトハウス関係者は「くぎ付けだ」と答えた。

昨年終盤に株価が過去最高を記録すると、トランプ氏は政権の経済政策と米企業の時価総
額の関係性を重ねて強調。2017年11月?12月だけで、株式相場に関して10回以上ツイート
している。