保守優位の米最高裁、ニクソン時代の夢実現
By Eliot Brown, Dana Mattioli and Maureen Farrell
2018 年 10 月 10 日 12:27 JST

 【ワシントン】米連邦最高裁判所の判事に就任したばかりのブレット・カバノー氏が
9日、判事席に座った。最高裁における保守の優位を確立しようとした
共和党の50年に及ぶ取り組みが成就した瞬間だ。

 9日の審理の中には、こうした重みを示唆するものはほとんどなかった。
ジョン・ロバーツ最高裁長官は、短いカバノー氏歓迎の辞を述べ、
その後最高裁は、2件の日常的な訴訟で判決に臨んだ。

 しかし、時がたつれて、カバノー判事は、広範な分野にわたる保守派の司法面の
課題履行に向け、一貫した票を投じることになるとみられる。これらの分野では、
1969年以降共和党の大統領が18人中14人の判事を任命してきたにもかかわらず、
最高裁の場で、イデオロギー的一貫性のある結論を得られずにいた。

 最高裁とカバノー氏の法理論を研究している法律専門家らによれば、
最高裁の過半数を占める5人の判事は、産業界の規制や訴訟のコストにより敏感であり、
少なくとも、より多くの判決を産業界や経営者寄りに傾かせ、労働者、消費者、
環境保護主義者らにより高いハードルを科すことになるはずだという。
同時に最高裁の新たな支配勢力は、同性愛者の権利の拡大や避妊薬(具)の容認に
抵抗する社会的保守派に対し、より同情的となり、妊娠中絶の機会を抑制しようとする
州レベルの取り組みに、より寛容となる可能性が大きい。

 これら専門家にとっても、まだはっきりしないのは、
新たな支配勢力が段階的な変化を図るのか、それとも米国の司法の画期的な変化を
もたらすことになるのかという点だ。画期的変化というのは、
ニューディール政策の憲法上の基盤を確保した1937年後の法廷や、
1954年のブラウン対教育委員会裁判に端を発した公民権運動のような変化のことだ。