米副大統領の中国痛烈批判が示すもの
米中関係の「変曲点」か
By Gerald F. Seib
2018 年 10 月 9 日 11:07 JST 更新

 米議会がブレット・カバノー氏の最高裁判事指名承認をめぐる論争に明け暮れていた
4日、数ブロック離れた場所では、あまり注目されなかったものの、
少なくともカバノー氏論争と同じくらい長期的な重要性を持つ出来事が起きていた。

 マイク・ペンス副大統領が保守系シンクタンクのハドソン研究所で、
中国を痛烈に批判する40分間の演説をした。演説は不用意な内容では全くなく、
深い考察に値するものだ。それは舞台裏の膨大な作業の産物であり、
米中関係の複雑な軌道における「変曲点」と見なされる可能性もある。

 ペンス副大統領は、中国が経済力を乱用し、米国の技術を盗み、
まさに中国の経済発展を助けてきた米企業をいじめ、近隣諸国を脅かし、
南シナ海を軍事拠点化し、国内の宗教信者を迫害しているとして、
驚くほど無遠慮な言葉で非難した。

 「中国が経済の自由化により、われわれにとって、そして世界にとって、
より素晴らしいパートナーになることを米国は期待していた」と述べ、
「ところが中国は経済的侵略の道を選び、それが拡大する中国軍を勢い付かせている」
と語った。

 最もメディアに注目された主張は、中国が米中間選挙への介入を試みており、
ドナルド・トランプ大統領の再選を阻もうと画策しているというくだりだ。

 こうした主張――大統領があまりにも中国に厳しいため、
中国指導部は彼にいなくなってほしいと思っているという主張――は
あまりに都合がよすぎるため、一蹴されがちだ。
その上、トランプ氏は習近平国家主席と良好な関係にあることを自慢してもいる。