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正論 2018.12.13
「移民国家宣言」に呆然とする 評論家・西尾幹二
ttps://special.sankei.com/f/seiron/article/20181213/0001.html
https://blogs.yahoo.co.jp/atunao2002/70151677.html
 人口減少という国民的不安を口実にして、世界各国の移民導入のおぞましい失敗例を見て見ぬふりをし、12月8日未明に
あっという間に国会で可決成立された出入国管理法の改正(事実上の移民国家宣言)を私は横目に見て、あまりに急だったな、
とため息をもらした。言論人としては手の打ちようがない素早さだった。
 私が外国人単純労働力の導入に慎重論を唱え出したのは1987年からだった。拙著『労働鎖国のすすめ』(89年)は版元を
替えて4度改版された。初版本の当時は発展途上国の雇用を助けるのは先進国の責務だ、というような甘い暢気(のんき)な
感傷語を堂々たる一流の知識人が口にしていた。この流れに反対して、ある県庁の役人が地方議会で私の本を盾にして闘った、
と私に言ったことがある。
  …(略)…
 この人の証言は、単純労働力の開放をしないとしたわが国の基本政策の堅持に、私の本がそれなりに役割を果たしていたこと
を物語っていて、私に勇気を与えた。私は発言以来、不当な誹謗(ひぼう)や中傷にさらされていたからである。
  …(略)…
 四季めぐる美しい日本列島に「住民」がいなくなることはない。むしろ人口は増加の一途をたどるだろう。けれども日本人が
減ってくる。日本語と日本文化が消えていく。寛容と和の民族性は内ぶところに硬い異物が入れられると弱いのである。
世界には繁栄した民族が政策の間違いで消滅した例は無数にある。それが歴史の興亡である。