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三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 ★第296回 立派な「移民国家」シンガポール
https://wjn.jp/article/detail/7567544/
 移民「先進国」シンガポールでは、移民や人手不足、生産性向上に関して、政治家が日本の政治家とは比較にならないほど
正しい見識を持つ。シンガポールのヘン・スイキャット財務大臣は、11月2日、ブルームバーグのインタビューに答え、移民について、
「われわれは生産性とイノベーション(技術革新)がけん引する成長に向け動く必要があり、低コストの外国人労働者らに頼り続ける
ことはできない」
「あまりにも容易に外国人労働者に頼ることができた過去においては、そのことが生産性向上を真剣に捉えるよう企業に促す
プレッシャーとインセンティブを低下させていた」
「例えば、自動化や機械化などの生産性を高める方策を見据える関心が今は極めて大きくなりつつある」
 と、語った。あまりにも真っ当な発言であったため、筆者は日本の政治家のレベルを思い出し、情けなくなってしまった。

 すでに安倍政権はなし崩し的に移民(外国人労働者)受け入れを拡大し、わが国は世界第4位の移民受け入れ大国となっている。

 シンガポールに話を戻すが、いまだに日本国内には、
「人手不足なのだから移民受け入れはやむを得ない」
 と、幼稚な意見を持つ人が多い。だが、人手不足への対策はすでに筆者は1000回以上、述べている。生産者1人当たりの
生産量の拡大、すなわち生産性向上だ。そして、企業が生産性向上のための投資に乗り出すには、人手不足の環境でなければ
ならない。まさに「今」、日本は生産性向上(=実質賃金上昇)の絶好の機会を得たのだ。それを潰そうというのが、安倍政権の
移民政策なのである。
 ヘン財務大臣の発言通り、移民受け入れは企業の生産性向上意欲を削ぐ。当然である。安倍政権が推進する入管法改正法案が
成立すると、日本の移民国家化が本格的に始まる。そして、すぐさまさまざまな軋轢や問題が起きることになる。