出オチやめーや

田原総一朗、被害者の親への取材は「人権蹂躙」と断言
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180706-00000003-pseven-soci&;p=1

「今の報道は悪口のオンパレード。楽な上に、綿密に取材をしなくても記事や番組が成り立ってしまう」
そう話すのはジャーナリストの田原総一朗さん(84才)。確かに最近のニュースを振り返ると、
「悪口」と「バッシング」に満ち満ちている。

 とりわけ近年、芸能人や政治家の不倫やセクハラの問題が続出して以降、メディアのバッシング傾向に拍車がかかった。
「日大アメフト部の問題ではメディアが『こいつが悪い』とみなした人物を寄ってたかってボロクソに叩いている。
ドン・ファンの問題も、妻が反論できないのをいいことに『こいつが怪しい』と繰り返すばかりで、一向に真実は
明らかにならない。どの番組も『この人物を取り上げて叩けば簡単に視聴率が稼げる』と思って報じているだけで、
一種の弱い者いじめがまかり通っている」(田原さん)

 メディアが悪口ばかりを喧伝する背景には、受け手もまた悪口を求めている現状もある。精神科医の香山リカさんが言う。
「情報過多でさまざまな意見や主張が耳に入って来る現代社会において、多くの人は自分の立ち位置が不明瞭になっている。
そんな中で、少しでも突っ込む点があればそれを批判することで、自分の立ち位置を“正義の側”に置くことができる。
だからこそ、人を批判するような報道が増えているのではないでしょうか」

 6月に発生した新幹線殺傷事件では、小島一朗容疑者(22才)が精神的な障害を持っていたことがこぞって報じられた。
だが、犯罪心理学に詳しい筑波大学人間系教授の原田隆之さんは、「事件が発生して間もなく、まだ全貌がわかって
いない段階で『容疑者は発達障害』『自閉症だった』との大きな見出しを掲げ、何度も繰り返して報道すると、
病歴と犯罪に大きな関係があるという印象を受け手に与えます」と批判する。

そして、田原さんはこう語る。
「そもそも取材するということは、他人のプライバシーに土足で踏み込むことです。凶悪事件の犯人の親に話を
聞きに行くことは、完全なプライバシーの侵害で人権蹂躙以外のなにものでもない。それでも一線を越えて
取材するためには、その事件が“自分にとって何を意味するのか”を問い、報道する意義を考えないといけません。
 安易な悪口やバッシングに走るのではなく、一人ひとりが自分の問題として、事件や出来事の意味を世に問う
姿勢が必要です。それこそが先の見えない時代において、メディアに求められる役割です」