日台首脳がツイッターでやりとり 地震を機に新たな対話形式 2018.6.20 21:25更新

 【台北=田中靖人】安倍晋三首相は20日、短文投稿サイト「ツイッター」で、
大阪北部地震への見舞い文を発信した台湾の蔡英文総統に対し
「心温まるお見舞いの言葉、ありがとうございます」と中国語(繁体字)で投稿した。
両首脳の交流サイト(SNS)でのやりとりは2月の台湾東部地震に次ぎ2度目。
外交関係がない日台間で、首脳同士の新たな対話の形が定着しつつある。

 首相は、蔡氏の投稿をリツイート(引用)し、「『まさかの時の友は真の友』、
これからも、困難な時に助け合える関係を続けていくことを希望します」と記した。
「まさかの−」は、2月の台湾東部地震で首相が「台湾加油(がんばれ)」と揮毫(きごう)したのに対し、
蔡氏が謝意を示す投稿で用いた言葉で、首相がこれに呼応した形だ。

 18日の台湾は祝日で、総統府の黄重諺報道官によると、公邸で地震発生の報告を受けた蔡氏は、
日本滞在中の台湾人の安否確認と同時に、窓口機関を通じて「日本の友人」への「心配」を伝達するよう
呉●(=刊の干を金に)燮外交部長(外相に相当)に指示。さらに、日本語が堪能なスタッフに
ツイッターに見舞い文を出すよう文案を示し同日夜、首相の投稿をリツイートする形で発信した。

 蔡氏の日本語での投稿は、昨年1月末の春節(旧正月)前のあいさつが初めてで、
その際は中国から批判の書き込みが相次いだ。
同7月の九州北部豪雨では見舞い文を投稿し、今年2月のやりとりに発展した。

 日本政府は1972(昭和47)年の日台断交以降、「一つの中国」原則を主張する中国に配慮して
日台の高官の接触を自主規制しており、訪台者は昨年3月の催事に出席した内閣府副大臣が最高位。
災害時に限ったSNSでの形式的なやりとりだが、
目に見える形での日台首脳の対話に、中国が反発する可能性もある。

ttp://www.sankei.com/world/news/180620/wor1806200026-n1.html
ttp://www.sankei.com/world/news/180620/wor1806200026-n2.html