長距離フェリーに追い風=「陸運」の働き方改革受け
6/16(土) 14:58配信 時事通信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180616-00000066-jij-bus_all

日本長距離フェリー協会によると、片道300キロ以上の長距離フェリーは現在加盟8社が14航路で運航している。
高速道路網の整備や原油価格高騰のあおりを受け、市場は縮小してきたが、
運転手不足や長時間労働解消に向けた運送業界の「働き方改革」を背景に、陸送から鉄道・船舶輸送への切り替えが進んでいる。

「予約を断ることも多い」。名門大洋フェリー(大阪市)の担当者は話す。
同社は大阪と新門司(北九州市)間を1日2便運航するが、船の老朽化と貨物の増加に対応するため、2015年に2隻を大型船に更新。
トラックの積載可能台数を3割近く増やし、運転手向けに60席の完全個室も新設した。
大阪から北九州までの時間は高速道路を利用した場合の陸送に比べ2倍ほどかかるが、貨物乗船率は現在ほぼ9割に達している。

ただし展望が開けているわけではない。新造船には巨額の費用がかかる上、乗組員の人手不足も深刻化。
さらに、船舶燃料の環境規制が強化される「2020年問題」が間近に迫り、「運賃を上げれば客離れになりかねない」(業界関係者)との懸念も強い。
待ち受ける「荒波」をどう乗り越えるのか、再びかじ取りが試されることになりそうだ。