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 難民申請者の波に対するカナダ国民の対応は、受け入れ、反発が入り交じっている。
ケベックの難民支援団体「ブリッジズ・ノット・ボーダーズ」は、難民申請者も
入国管理事務所を利用できるよう政府に働き掛けている。一方で昨年ケベック州に
数千人のハイチ人が殺到したことから、数回にわたり反移民の集会が開かれた。

 フッセン移民相などカナダ政府当局者は、不法入国への取り締まりを強化すれば、
難民は危険なルートを使って、カナダにひそかに入り込むようになると懸念する。
そのためフッセン氏は4月に在カナダ・ナイジェリア高等弁務官と会い、
米国のビザを使ってカナダに入国し難民申請するナイジェリア人が増加している
問題について話し合った。また移民省は、米国の観光ビザが乱用されている実態について
在ナイジェリア米国大使館の理解を得るため、ナイジェリアに職員を派遣した。

 トロント大学の移民法専門家のオードリー・マックリン氏は、
カナダは難民の増加に対処し難民申請を処理するために十分なリソースを
必要としていると訴える。
同氏は「カナダ国民がシリア難民の定住の実績に誇りを持っているのは間違いない」
と指摘する。その上で、「それに比べると、国境での難民申請をする人たちに対する
カナダ国民の受け止め方は移ろいやすいと思う」と懸念を示す。

http://jp.wsj.com/articles/SB11182910543236833496604584226851703282422