グーグルが米軍に協力すると、世界はこんな風に変わっていく
3/23(金) 10:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180323-00054959-gendaibiz-int

米国防総省のデータベースには、スパイ衛星が撮影する紛争地帯の画像情報や、諜報部門からのインテリジェンスなど生データが時々刻々と蓄積されていく。
仮にこれら全てを人手で分析しようとしたなら、それは同省の職員全員が一生かけても処理しきれない程の分量に達している。

そこでプロジェクト・メイブンでは、人間とは桁違いのスピードでビッグデータを分析できるディープラーニングに、その処理を任せることにしたのだ。

米国防総省は2012年に発令した「国防総省指令3000.09」を契機に、「第三の軍事刷新(3rd Offset)」と呼ばれる抜本的な軍事改革に着手。
自律的なミサイルやドローンに代表される、「AI」と「ロボティクス」を次世代兵力の要にしようとしている。

彼らが手始めに取り組んだのは、イラクやシリアなど紛争地帯の上空から「IS(イスラム国)」を監視する、ドローンが撮影したビデオ映像の解析だった。
これを迅速に成し遂げるため、特別チームは米グーグル(アルファベット)に協力を求めた。

彼らは共同で、グーグルの「TensorFlow API」と呼ばれるフレームワーク(ディープラーニング・システムを構築するための開発基盤)を利用し、僅か数ヵ月で監視用の画像解析ツールを構築。
これは2017年中に世界各地の紛争地帯に導入され、その上空を飛ぶ「ScanEagle」や「MQ-9 Reaper」など、米軍ドローンが撮影したIS関連映像の分析に活用された。

つまり「半年以内に実戦配備する」という当初の目標を達成したのだ。

この取り組みは国防総省内で非常に高い評価を受けた。
その結果、今回のドローン撮影映像の分析にとどまらず、今後は同省内で同時進行する数多くのプロジェクトに、今回と同じような方式が採用される見方が強まっている。