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(経済教室)憲法改正の論点を探る(下)自衛隊の明記、法的に困難
憲法頼みの安保論議 疑問 井上武史・九州大学准教授
ttps://www.nikkei.com/article/DGKKZO26582060W8A200C1KE8000/
ttps://www.nikkei.com/article/DGXKZO26582060W8A200C1KE8000/
https://twitter.com/Perfect_Insider/status/961076911408480257
http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/seiji/1517465493/369

 9条2項削除案は、同項により自衛隊の組織や活動に課されている一切の制約を取り除くことで、自衛隊を一般的な軍隊にする
ことを目標とする。自衛隊を9条2項が禁止する「陸海空軍その他の戦力」でなく、それに至らない「実力」と位置づけてきた従来の
政策からの大きな転換だ。
 もちろん正規の軍隊を保有する国が多いことを思えば、こうした政策目標を掲げることは不当ではない。

 政府は従来、憲法9条2項が禁止する「戦力」とは「自衛のための必要最小限度の実力を超える力」であり、自衛隊はそれに該当
しないという解釈を示してきた。この解釈こそが、行政実務上通用している憲法の意味だ。そこでこの確立した解釈法を明文化して、
3項に「前項の規定は、自衛のための必要最小限度の実力を保持することを妨げない」という規定を加えるのが、おそらく最も無理
の少ない方法ではないか。

 もっとも2項を保持する関係で、「自衛」の範囲をどう理解するかという問題はなお残るだろう。従来の個別的自衛権の行使に限ら
れるのか、2015年の安保法制以後に認められた集団的自衛権の限定行使も含むのか、である。
 ただ「自衛隊が合憲であるか」と「自衛隊合憲論を前提として集団的自衛権の限定行使が合憲であるか」では問題の次元が異なる。
おそらく安倍首相の関心は前者だろう。であれば改憲では自衛隊の合憲化だけに決着をつけて、集団的自衛権が合憲かという問題
は、これまでの自衛隊のように将来の解釈に委ねることも考えられる。その場合、9条論争は今後も続くだろう。