来なかった第3次ベビーブーム 産めない、産まない

年の瀬に明治大学の3、4年生たちがゼミで討論をした。指導する同大教授の加藤久和(59)は、人口減少問題の専門家だ。

いま20歳前後の若者たちは「第3次ベビーブーマー」になり損ねた世代である。
70歳に達した団塊世代、40代半ばの団塊ジュニアに続く第3の山は人口曲線に生まれなかった。

学生の一人がこう発言した。「上の世代は具体的にどんな手を打ったんでしょうか。怒りというより、もう諦めしか感じない」

少子高齢化が極限まで進む近未来、「日本社会は想像もつかない形になる」と加藤は言う。
「すべての人が当事者だというのに、外野席にいるような危機感しか持っていない人が多い」

約30年前、日本はイエローカードを突きつけられた。女性が一生に産む子の数、合計特殊出生率が、戦後最低の1966年を下回り、
「1・57ショック」といわれた。その89年から、この時代は始まった。

https://www.asahi.com/articles/ASKDT6HWYKDTULZU014.html