ロシアのショイグ国防相が下院の演説で、北方領土と千島列島へ新設の1個師団を年内配備する方針を表明した。国後、択捉両島への展開が想定される。

旧ソ連・ロシアは、70年以上にわたって日本固有の領土である北方領土を占領してきた。そのうえ、大規模な部隊の増強を図ろうという暴挙は到底、認められない。

日露間では、北方領土における共同経済活動の協議が3月から本格化しようという矢先だった。直前のこうした言動は、協議の前提を崩すものでしかない。

政府がなすべきは、足元を見られながら協議を始めることではなく、国防相発言の撤回と謝罪要求である。

重要な協議を前に、相手にあいくちを突き付けるのはロシアの常(じょうとう)手段である。そこに信頼関係を築く意思など見当たらない。

相手が態度を改めることもないまま、なし崩しに協議入りするのは愚策であり、日本を見つめる世界の目も変わりかねない。
http://www.sankei.com/column/news/170224/clm1702240002-n1.html