浜田宏一教授:2%のインフレは人々の生活を貧しくする
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内閣官房参与 浜田宏一イェール大学教授が、物価目標に拘泥する中央銀行の姿勢に疑問を呈している。
物価上昇は人々の生活を苦しめる面もあり、物価目標だけでなく悲惨指数なども重視すべきと説いている。

普通の人の福祉の話になれば、物価目標達成は必ずしも最善の選択肢ではない。
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目標に満たないインフレを2%に引き上げることは人々の生活を貧しくする。
継続的に貯蓄の価値を減少させることで、人々の繁栄を損なう。

浜田教授は、物価目標が「普通の人々」にとって災難となりうることをProject Syndicateで認めている。
教授が「貯蓄」と書いたのは、「普通の人々」の少額預金や年金などであろう。
預金・債券の利回りを押し下げる金融緩和でインフレを上昇させれば、そうした資産の実質ベースの価値は減少する。
結果、「普通の人々」を貧しくすると指摘している。

付け加えるなら、賃金が十分に上がらないための実質賃金低下も大きな要因だ。
こちらについての言及がないところを見ると、教授は実質賃金がいつか安定的に上昇するようになると考えているのであろう。