GDPでみる、株価上昇と経済成長率の関係とは?
2017.11.17 08:10
https://thepage.jp/detail/20171116-00000006-wordleaf

15日に発表された日本の国内総生産(GDP)統計は、(1)足元の日本経済が堅調に推移していること、(2)バブル崩壊後の高値を更新した株価水準に違和感がないこと、この2点を確認させる結果でした。
(1)は実質GDP、(2)は名目GDPの議論になります。

実質雇用者報酬(≒賃金)は前年比+1.6%と堅調ですから特殊要因さえ無ければ、消費は反発に向かう可能性が濃厚です。

このように日本経済は1%程度とされる潜在成長率を明確に上回る成長軌道を維持しています。潜在成長率とは長い目でみた日本経済の「実力」ですから、それを上回っているならば、景気が強いと判断するのが自然でしょう。

名目GDPは前期比+0.6%、同年率+2.5%、実額は546兆円でした。前年比では19四半連続でプラス成長が達成されており、水準は直近のボトムであった2011年4-6月期を+12.4%、
これまでのピークであった1997年1-3月期を+2.4%上回っています。名目GDPは経済を金額ベースで捉えた概念で、幅広い意味においての企業収益にリンクしますから、結局のところ企業業績が好調という結論になります。
従って、名目GDPが過去最高を更新したことは、日本株が1996-97年の水準を突破し、バブル崩壊後の高値を更新したことに符合するというわけです。

第一生命経済研究所