習近平の困った世界観で、日本が想定しておくべき悪夢のシナリオ
11/2(木) 11:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171102-00053358-gendaibiz-cn

中国の習近平国家主席は先の第19回共産党大会の政治報告で「社会主義近代化強国」路線を打ち出した。
その演説内容を読んで驚くのは、軍事大国化の飽くなき追求と、中国を中心とした世界秩序再編への強い国家意思である。

世界史において各民族は「歴史を作る側」と「歴史を作られる側」に分類される。
習演説は、中国自身が「作られる側」から「作る側」に回ることを宣言した明確な転換点と言えるだろう。
そして、その意味するところは、アメリカとイギリスが中心になって築き上げてきた自由民主主義体制を本流とする国際秩序への挑戦だということだ。

アングロサクソン的国際秩序には過去三度の挑戦があり、いずれも米英陣営側の完膚なきまでの勝利に終わっている。
言うまでもなく、ドイツの挑戦による第一次世界大戦、日独伊三国同盟による第二次世界大戦、そしてソ連社会主義陣営との東西冷戦である。

サッチャー英首相はこう語っている。
「我々(英米)が協調することは世界にとって幸運だ。英語諸国民により専制政治は阻止され、自由が回復されてきた」

中国、そして一党独裁体制の死守を目指す中国共産党にとってみれば、こうした歴史認識こそが屈辱的なのだろう。

現実に進んでいるのは、「社会主義的市場経済」(中国の特色ある社会主義の核心)を掲げる中国と、
「リベラルな市場経済」(トランプ大統領はこれを覆そうとしているが)を引っ張ってきたアメリカとの陣取り合戦である。

21世紀中葉の国際情勢の在り様を想像するのは難しい。米中関係がどう推移していくのかも予測し難い。
安全保障政策とは、想定しうる事態に可能な限り備える、ということだ。

次のようなシナリオはもはや絵空事ではないだろう。
『中国が世界最強レベルの軍事力を有し、北朝鮮が事実上の核保有国となり、日本を含む西太平洋での米軍のプレゼンスは消滅するか、大きく縮小している』