>>15 >>187-188 >>272
文藝春秋 2017年9月号
[若手学者激論]九条加憲案はひどすぎる 細谷雄一/浜崎洋介/西田亮介
ttp://bunshun.jp/articles/-/3514
浜崎 私は、第二次安倍政権の誕生に期待を持った人間の一人ですが、安倍政権の誕生にあたっては、二つの支持層がありました。
 第一は、やはり「他に選択肢がない」という消極的選択としての支持層です。安倍政権支持のマジョリティは実はこの層である
のに、それを政権が忘れてしまったことの驕りが支持率急落につながっている。
 第二は、安倍政権を積極的に支持した保守層です。この層の多くも今は失望しているのではないか。
 当初の公約からすれば、靖国神社に行くと思われていた。TPPにも否定的だったし、旧民主党の政策だったプライマリーバランス
(基礎的財政収支)の黒字化も方針転換が期待されていた。すべて安倍首相の著書『美しい国へ――美しい国へ 完全版』で示され
ていた方向性です。にもかかわらず、何もやっていない。
 もちろん政治は、理念だけではどうにもならないところがある。大義を実現するために我慢しなければならない状況もある。
時に打算や妥協も必要です。僕自身、TPPを推進し、靖国神社に参拝しない安倍首相に我慢してきました。
 しかし、もう、それも限界です。自民党の中でも安倍政権でなければできないのが憲法改正。すべては改憲と大義のための我慢
でしたが、「9条加憲案」はひどすぎる。…(略)…
「戦後レジームの脱却」と安倍首相は言いますが、これによって「戦力不保持」を憲法で半永久的に確定することになり、「脱却」
どころか、むしろこれで「戦後レジーム」は完成します。これでは、安倍首相に期待していた保守層も見限るしかない。