飼育箱で夢を見る。卵の殻。黒色の黄身。愛の海に記憶は無い。胎盤にいずる。ラインは初回からして不在。
娩出は許されず育まれながら愛に溶ける。堕胎の記憶は無い。ひたひたと散歩する。ゆらゆらの頭は空っぽで、きちきちした目的なんてうわのそら。
ぶるぶると震えてごーごー。からからの手足は紙風船みたいに、ころころ地面を転がっていく。ふわふわ飛ぶのはきちんと大人になってから。
ごうごう。ごうごう。ごうごう。きいきい誰かが寄ってくる。ぞろぞろ人が寄ってくる。からからと笑い声。蟲惑した覚えはありません。
怖くなったので帰りましょう。てくてく彼らは追ってきます。きんきんうるさく響くので、くうくうお腹がなりました。飼育箱の夢を見る。今夜。虫を潰した。


って詠唱してただけなのに後ろの席のやつから上映中椅子蹴られたわ
むかつく