「やることがない」そう言い残して去ったエクラは二度と戻ることはなかった。
人質としてブルーノ王子の妻となるシャロンの顔は、純白のドレスとは不釣り合いに暗く沈んでいる。
「ナンジスコヤカナルトキモ…」
牧師の声が遠い、どうしてこうなってしまったのか。
「ソレデハチカイノ…」
もうどうにもならないのだ。
その時、二筋の閃光がシャロンの前を駆け抜けた。
シャロンは知っていた、何度も見た、その光の正体を。
すがるように見つめたヴァージンロードの先、あの男が立っていた。
「突然のダイムサンダ、どうかお許しいただきたい」
随分前に考えたわ
あの頃が懐かしいなヤクザ
これからも隣にいてくれよ