和解したぞ

「ふむ、何かの罠か?」

俺のスキルが反応していないが、実はそういう隠蔽スキルでも持っていたか?

俺は警戒するように周囲をきょろきょろと見回す。

「違うわよ! 普通に謝ってやってるのよ! このあたしが、あんたに! 素直にね!」

……何だと?

「熱でもあるのか、ヨシハラ。お前の様な横暴な女が謝罪とはよほどのことだぞ?」

「なんであんたにそこまで言われなくちゃいけないのよ!」

「まあまあ、二人ともそこまで。そして、マサツグ……。ああ、いや、今はマサツグ王だったな。ヨシハラだけじゃない。
 俺たちクラスメイト全員……いや、ミヤモトやイシジマは来なかったが、ともかくみんなから謝らせてくれ。今まで無視したりしてすまなかった。
 皆、お前のことは認めていた。だが、誰に頼らなくても一人で何でもできるように見えるお前が、皆うらやましかったんだろう。許してくれ」

そう言って他のクラスメイトたちも頭を下げたのだった。

これは想定していなかった。参ったな。