へい!いつものおまち!

「大型肉食恐竜型ハンターさん……もうダメだ。肥料を探したけど全部使い切って無くなってる。肥料が無い以上農作物が収穫できない」
 小型獣型ハンターが私たちの元へと駆け寄ってそう告げる。その言葉に大型肉食恐竜型ハンターは溜め息を吐いた。
 「はぁ・・・低レベル過ぎる」
 「何が低レベルだ! 殴らずにどうやって勝つ気だ!」
 「いえ、ここには椅子やテーブルが見掛けないようなので疑問に思いまして」
 「イス? テーブル? そんな言葉、聞いたことがありませんが……」
 理論家の小型獣型ハンターでさえ、気付いて無い様だ。
 「とりあえずこの植物で試してみるか」
 大型肉食恐竜型ハンターは適当な草を選んで茎を切った。
 ビュッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ、ビュッ。
 すると草は溶けてオレンジのようにどろりとオレンジボールになった。
 「なんだ……コレ?」
 「知っているかい? 今、オレンジボールが一個、金貨200億枚の値段なんだ。これ小学生レベルの知識だよ」
 「…は?」
 ふむ、やはり知らんか。もっともそれは仕方のない話なのかもしれない。
 「君、そんなに若いのに少しいいか?」
 随分と喧嘩腰だな……。
 俺を誰だと思っている! と口から出そうになった。
 大型肉食恐竜型ハンターはなるべく失礼のない話し方で言った。
 「何かな?」とマサツグ。
 「えっとだね……土に金貨を撒くのはどうだろうか」
 「金貨……ですか? アレが肥料になると……!」
 「大型肉食恐竜型ハンターの案は悪くない。だが、一つ肝心な事を忘れている」
 「金貨を撒けばミヤモト(蛆虫)が集まり作物が荒らされてしまう」
 自分の意見の欠点を指摘され頷く大型肉食恐竜型ハンター。だが、その可能性も考慮していたのか、打開策を明示する。
 「それなら疾風戦術を取ろうと思う。みんな甲冑を脱ぎ捨ててくれ」
 「勝算は?」
 「僕の読みどおりに戦局が動いてくれれば、九割ほどで」
 「彼我の戦力差、出ました! 人間軍、およそ300。魔物軍、およそ5000! 5秒後に接触。敵戦力分析と指示をくれ!」
「あの子も抱いてあげて」
正論だった。