> メロディアの第九(同年3月のライヴ)

これは1942年3月19日〜20日の第九だと思うけど、あれはソリストがたるいと思うのだわ。


「第九」を聴く
http://www.numakyo.org/c_daiku/6.html

フルトヴェングラーの第九は全てライヴで、現在10種の存在が確認されています。
(断片や映像を除く)。
特に1951年戦後初のバイロイト音楽祭の開幕を飾った演奏は未だにこの曲最高の演奏とされています。

  ・ ベルリンフィル、ブルーノ・キッテル合唱団、
    S:ブリーム、A:ヘンゲン、T:アンデルス、Br:ワッケ
    (1942年3月22日または 3月24日か4月19日)

第2時大戦中の録音、ベルリンフィルの重心の低いドイツ的な重厚な響きと刃金のような強固なアンサンブルが魅力の演奏です。
フルトヴェングラーの数ある第九の中でもっともテンポが速く、劇的でダイナミックな演奏。
曲全体に漂う悲愴なまでの緊張感はこの時代ならでは、ティンパニの壮絶な響きが
一層の緊張感を煽ります。演奏者も幾分緊張気味で、第3楽章ファンファーレの直前の4番ホルンと第4楽章の後半のソプラノソロに大きなミスがあります。
戦争により多くの団員が欠けていたベルリンフィルですが、フィナーレの終結部の猛烈なアッチェレランドも乱れることなく決まっていて、フリード盤で見事な歌唱を聴かせたブルーノ・キッテル合唱団も充実した出来です。
オーケストレーションの改変は、第2楽章第2主題のホルン追加と、第4楽章の冒頭と二重フーガのトランペットぐらいで、第1楽章の後半部分で一般的におこなわれていたヴァイオリンの1オクターヴ上げもありません、テンポと強弱設定はフルトヴェングラー独自のロマンティックなもので、いわばワーグナーの流れをくむデユオニソス的な演奏の典型。
演奏の完成度としては、私が聴いたフルトヴェングラーの第9の中で最も高い演奏ですが、あまりにも壮絶なために繰り返し何度も聴く気にはならない演奏でした。