YouTubeの違法動画に、テレビ各局が手を焼いている。NHKは「スプーの絵描き歌」の動画削除を依頼し、米YouTubeもそれに応じたが、削除直後に同じ動画がまたアップ。いたちごっこが続く。

昨年12月から、YouTubeに違法にアップされたコンテンツの削除を依頼してきたというフジテレビジョン著作権部によると、「昨年は、YouTube側の削除基準が厳しく、弁護士名でサインを入れた依頼書をFAXする必要があった。しかし今年4月ごろに削除依頼した際は、メール1本ですぐに削除してもらえた」という。

NHK広報局は「YouTubeの動画を毎日1つ1つ確認するのは大変で、人員も足りない」とし、視聴者から通報があった場合のみ、違法かどうかを確認して削除依頼を出しているという。通報は今年に入って目立って増えているというが、増え続けるコンテンツに対応が追いつかない。

フジテレビは、米国のテレビ局などYouTubeに抗議している団体の動きを注視しながら、訴訟を含めて今後の対応を検討するとしている。日本テレビ放送網も「当社の番組がYouTubeにアップされていることは、明らかな著作権侵害と考えており、削除要請も検討している」とコメントした。