■声優は同じ役を何十年も演じられる

まず、そのキャラクターを10年、20年と演じることができます。外見の変化ほどに声質は変わりませんから、
いつか限界がくるにしても、かなり長い期間続けることができます。
なにしろ、作品によってはキャラが全然年をとりませんから。これが生の役者だったら、
役者に合わせて設定やストーリーを変えなければいけない制約が出てしまいます。

また、イメージが固定化されるというのも実写ほどではありません。声優は作品内では姿をもちませんから、
ありとあらゆる役を演じることができます。
私でいえば、『タッチ』の西村勇や『キャプテン』の近藤茂一などの球児や、『伊賀野カバ丸』の伊賀野影丸、
『あしたのジョー2』のカーロス・リベラをやりつつ、トッポ・ジージョ(『トッポ・ジージョ』)、
ぽろり(「にこにこ、ぷん」)のような、ネズミの男の子などさまざま。

みなさんによく知られているのが、ばいきんまん(『それいけ! アンパンマン』)とフリーザ(『ドラゴンボールZ』)
なので、最近ではラスボス的なキャラ(フリーザははじめはラスボスではなかったのですが)や、
人間以外のキャラ(最近では「人外」というそうですが)が多くて、久しぶりに人間の役をやると、
「中尾さん、人間役ですよ」とわざわざ言われたりなんかしてしまいます。

声優とキャラクターというのは、絶対的にイコールかと言うと、そうでもない不思議な関係です。
キャラは永久に生き続けますから、どこかでキャストは変わります。
また、声優のファンの方々にしても、キャラクターが好きという部分がかなりの割合でミックスされて
いることでしょう。

イベントなんかではキャラの決めゼリフをお願いしますと言われますが、一方で、
それ以外では公でキャラのセリフを言ったらいけないと言われることもあります。
海外のアニメなんかではとくに厳しい制限があります。

キャラがまずあって、というのはわかりますが、私がそれを演じていて、
世間の人からほとんどイコールと思われていても、私のものではない。なんか妙な感覚があります。
http://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190706-00285751-toyo-bus_all