1994年(平成6年)4月にJA秋田中央会の職場で経営監査課にいた僕と
広報課にいた21歳の杉渕恵は一緒の部屋で彼女と僕の部屋で2人きりで
なにげない会話をしていた。

恵:「北海道の沖尻島に友達のチカちゃんたちと旅行に行く計画を立てていたの。
   でも、この間の津波で冲尻島には行けなくなったの。」

僕:「ふ〜ん。残念だったね。」

恵:「冲尻島のかわりに函館市に旅行をしようと考えたんだけど遠くてね。それで中止したの。」

僕:「じゃ僕と函館市に行こうか。海を渡って。津軽海峡ではイルカの群れが見れるんだ。」

恵:「ホントいいの?函館って遠いんだよ。行く。」


※恵と僕は函館市の八幡坂に2人で行くことになった。

八幡坂はテレビコマーシャルで「チャーミ―グリーンをつかうと手をつなぎたくなる」という
CMソングが流れていた。

21才の杉渕恵は僕の左手を「さっ、早く早く。手を握って」と言ってから握った。

僕:「どういう意味?」

恵:「チャーミ―グリーンをつかうと手をつなぎたくなるってコマーシャルがあるの。
   ここ、八幡坂ってとこなの。」