この世界の片隅に
呉市「すずさんに逢える丘」で舞台整備

毎日新聞2018年2月14日 20時07分
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戦時下の広島県呉市を舞台にしたアニメ映画
「この世界の片隅に」(片渕須直監督)のヒットを受け、
市は来年度、主人公・すずが嫁いだ「北條家」があったとされる場所を
「すずさんに逢(あ)える丘(仮称)」として整備する。
家の間取り図を地面に舗装するなどして映画の世界観を再現し、ファンらに思いをはせてもらう。


 「この世界の片隅に」の原作は、こうの史代さんの漫画。
北條家のモデルはこうのさんの親族宅で、かつて呉湾を一望できる「灰ケ峰」の山裾にあり、
今は更地になっている。
こうのさんが「地域活性化に生かしてほしい」として昨年3月、
この土地約200平方メートルを市に寄贈していた。

 劇中の北條家は、築50年程度の納屋付きの平屋で、
かまど付きの土間、書斎などがある設定。近くの段々畑で、
すずが呉港に出入りする軍艦をスケッチする場面などもある。

 市は家の間取りをタイル舗装で再現するほか、
すずが愛したタンポポやシロツメクサなどを植えた花壇を置き、
こうのさんのイラスト入り看板を立てる計画。来年度予算案に約800万円を計上する。

 映画の公開以降、市にはゆかりの地を巡るファンが多く訪れており、
担当者は「映画と変わらぬ呉の風景を楽しんでもらいたい」としている。
https://mainichi.jp/articles/20180215/k00/00m/040/098000c