ぴー「ぼくのおしりはこぶたさんなんよ!!ぶぴぶぴ〜!!」

屁を放り、大便を垂れ流しながら街を歩くぴー。10人中150人が「妖怪」と形容するその姿からは、ぴーの言う「こぶたさん」の片鱗すら連想できない。
もはや歩く公害と呼んでも差し支えないであろうぴーのひとり百鬼夜行(ぴーひとりで妖怪100匹分に相当)は、汚物と悪臭と騒音を撒き散らしながら、雑草が生え放題の空き地をその終点に定める。
端の方に三本ほど積まれた土管がこれ以上ないほどにベタなロケーションを演出するその空き地に、現在ぴーは居を構えていた。所謂「法に触れるタイプの借りぐらし」である。
ぴーが住み着いてからというもの、空き地からは昼夜を問わず奇声と悪臭が発せられ続けている。隣家に住む空き地の本来の持ち主である神成さんのヘイトは、ぴーが居着いてから6日目の朝、ついに爆発した。

神成さん「ヒィィィィィィィィィィィィィィィィヤッハァァァァァァァァァ!!!!!パブリックエネミーは銃殺刑だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

その昔、ムルデカの戦いで鳴らしたカミカゼがついに蘇った。愛銃の三ハ式を構え、土管に向けて乱射する神成さん。突然銃撃されたぴーは訳がわからず泣き叫ぶばかり。
怒りに燃える護国の軍神。その手にはいつの間にかハンドルのついたボールのようなものが握られている。どう見ても手榴弾です。本当にありがとうございました。
セフティピンを外し、弾痕だらけの土管に手榴弾を投げ込む神成さん。ぴーはいまだパニック覚めやらずぶるぶると醜い身体と脂肪を震わせる。

・・・・・・・「「「「「「どかーん!!」」」」」」土管はドカンと吹き飛んだ。

爆風に飛ばされ、気を失いはしたものの、大量に身についた脂肪が幸いし、ぴーはその衝撃から奇跡的に命を取り留めた。爆風に飛ばされた後の記憶が綺麗に飛び、空き地とは違う場所で意識を
覚醒させるぴー。次第に蘇る記憶と恐怖はぴーに逃走を促し、本能に従うまま、当てずっぽうにあちこちへと逃げ彷徨った挙句、やがてぴーは生まれ故郷の埼玉へと流れ着く。

クレイジーギラぴー、埼玉から先の逃げ道と自身の頭髪は、もはや無い。